お役立ちミニ情報 2019/09/19

正しい読み方|伝わりやすい読み方

 

今日はとってもいい天気♪
歩くことが大好きな私は、散歩に出たくてうずうずしています(*´艸`)
今日もレッスンなので、合間の時間にちょっとお散歩しようかなと考え中です。

さて。
今回のテーマは

”正しい読み方と伝わりやすい読み方”

以前もご紹介したことがあるのですが、最近よくご質問を頂くので、改めてご紹介したいと思います。
プロ司会者はもちろん、一般の方にもぜひお読みいただきたい記事です。

こちらの記事の内容
  • 2019年の読み方
  • 正しい読み方よりも正しく伝わる読み方
  • 親しみのあるアクセント
  • まとめ

知っておくといろいろな場面で役立ちますよ!ぜひメモのご用意をφ(..)

目次でご覧になりたいことろへ飛べます♪

2019年の読み方

2019年も残すところあと数か月。
年々早くなっているように感じます(汗)

もう9か月が経っているので、今更と思うかもしれませんが、みなさんは「2019年」をどのようにお読みになっていますか?

「ニセンジュ―キューネン」でしょうか?
「ニセンジュークネン」でしょうか?

ニュースなどで気を付けて聞いている方やプロの方はお分かりですよね?
どちらの読み方もお聞きになったことがあるかと思いますが、「正しいのはどっち?」と聞かれると迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

NHK放送文化研究所「NHK日本語発音アクセント新辞典」NHK出版(2016年)によりますと、

「19年」の読み方は『ジュ\ー・クネン ̄、ジュ\ークネン』が優先される読み方とされており、

『ジューキュ\ーネン』は『許容』となっています。
※「\」はアクセントの音の下がり目を表しています。

つまり、「ニセンジュークネン」と読むのが本来の読み方であり、場合によっては「ニセンジュ―キューネン」と読んでもいいよ、ということなのです。
正式な場やニュースなどでは「ニセンジュークネン」と読むのが一般的です。
ただ「ニセンジュ―キューネン」と読むのが間違っているかというと、絶対に間違っているというわけではありません。

では・・・2年前の「2017年」はどのようにお読みになりますか?

先ほどと同様、「17年」の読み方を「NHK日本語発音アクセント新辞典」で調べてみると、

『ジューシチ\ネン、[許容]ジューナナ\ネン』

とあり、注釈で

『「7」は、特にはっきり発音したいときは[ナナ]。』

とあります。

正式な場ではやはり「ニセンジューシチネン」と読まれていることが多かったようです。

では、私がイベントMCのお仕事で「2017年」をどのように読んでいたかと言いますと、ほとんどの現場で「ニセンジューナナネン」と読んでおりました。
もちろん「ニセンジューシチネン」と読んだ現場もありましたが、圧倒的に「ニセンジューナナネン」が多かったです。あえてそのように読んでいたのです。

正しい読み方よりも正しく伝わる読み方

なぜあえて「ニセンジューナナネン」と読むことが多かったのでしょうか?

それは、イベントMCならではと言えるかもしれません。
例えばテレビのニュースで取り上げられる際、「2017年」という文字がテロップなどに映し出されていたり、「昨年の2017年は~」というようにより分かりやすい説明がされていたりしますよね?

ところが、イベント現場ではタイトルそのものに「○○イベント2017」と入っていたり、台本に落とし込まれていて、なおかつ、変更せずにそのまま読まなければならない文章に「2017年の~」と入っていたりすることがあります。
その場合は、文字を聞き手のみなさん(お客様)に見て頂けないことも多々あります。

つまり、MCのコメントのみで「2017年」という情報を伝えなければなりません。
すると「ニセンジューチネン」で読んでしまった場合、「ニセンジューチネン」に聞き間違えられてしまう可能性があるのです。

滑舌よく読めば良いのではないかというご意見もありそうですが、いくら滑舌よく読んだとしても、聞き間違いが起こる可能性は十分にあります。
間違いを防ぐためにも「ニセンジューナナネン」を優先させることが多いのです。

このような理由からイベント現場では「ニセンジューナナネン」と読むことが多いです。
本来は「ニセンジューシチネン」と読むべきだと分かっていながらも、あえて「ニセンジューナナネン」と読むことに、時々歯痒さを感じることもあります。
とはいえ、「ニセンジューナナネン」が間違った日本語というわけではないので、そこは勘違いなさらないでくださいね。

イベントMCで一番考えなければならないのは「聞き手=お客様がもっとも聞き取りやすい読み方をする」ということです。
時には、本来の正しい読み方よりも、正しく伝わる読み方を優先させることもある、ということですね。

ちなみに私の場合は、事前のお打合せや読み合わせ、リハーサルの際などに、読み方のご希望を先方(クライアントやディレクターといったご担当者)に確認するようにしています。
MC一人の判断ではなく、客観的なご意見や、先方のご意向も取り入れることを忘れないようにしています。

親しみのあるアクセント

読み方だけではなく、アクセントでも同じようなことが言えます。

例えば「展示会」という言葉の正しいアクセントは「テンジ\カイ」です。「ジ」のあと音が下がります。
ただ、一般的には「テンジカイ ̄」と読まれることが多く、普段の会話の中では「テンジ\カイ」と読まれることの方が少ないですよね。

ケースバイケースですが、このような単語の場合は、親しみのあるアクセントを優先させて読むことがあります。
また、その業界でよく使われている用語であれば、正しい読み方よりも業界で親しまれている読み方を優先させることも多いです。
もちろん、正しいアクセントを知っている上で「あえて」のことですよ!

ですがこれにもまた例外のようなものがあり…「ドラマ」は「ド\ラマ」が正しいアクセントですが「ドラマ ̄」というアクセントがよく使われていますよね?
では親しみがあるから「ドラマ ̄」と読むかと言いますと、「ドラマ」は「ド\ラマ」と読むことが望ましいのです。

線引きがなかなか難しいですが、プロを目指している方はこのあたりの感覚がつかめるようになってくださいね!

まとめ

今回は「正しい読み方」と「正しく伝わる読み方」についてお伝えしました。
最後に1つだけ…正しい読み方を無視してよいということではない、ということを忘れないでください。
あくまで、正しい読み方を知っている上での、聞き手への配慮だということを心にとめておいてくださいね!
特にプロを目指しているみなさんは、日頃から気になった言葉はぜひこまめに調べてみましょう。
少しずつでも知識を増やしていけば、いざというとき知識の引き出しからすぐに取り出すことができますよ!

もっと詳しく知りたい!本番に向けてしっかり学んで対策をしておきたい!

というみなさまは、ぜひレッスンにご参加ください(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

<参考文献>
NHK日本語発音アクセント新辞典
編者 NHK放送文化研究所
発行所 NHK出版
発行年 2016年