させていただく症候群??

スタンドマイク

相手により丁寧に物事を伝えたい!と考えたとき、
みなさんはどんな言葉を使っていらっしゃいますか?

特にビジネスの現場であれば
使う言葉には気を付けたいですよね。

 

丁寧に伝いたいと思うあまり、
こんな表現をよく使っていませんか?

「営業をさせていただいております。」

「販売させていただいております。」

 

何も問題ないように感じられる方も多いのではないでしょうか?

普段何気なく使ってしまう方も多い「させていただく」という言葉。
気付けば多用しているかもしれませんね。

レッスンの際にも
「この言葉が多くなってしまうのですが…」
というお悩みをいただきます。

今回はそんな「させていただく」という言葉にフォーカスしていきます。

 

こちらの記事の内容
  • そもそも「させていただく」とは?
  • 丁寧に伝えたいと思うばかりに…
  • 回避方法|別の表現
  • 台本に大量の「させていただく」
  • まとめ

 

それでは早速見ていきましょう!

目次でご覧になりたいところへ飛べます♪

そもそも「させていただく」とは?

会議の様子

「させていただく症候群」という言葉がよく使われるようになってから、
 「させていただく」という言葉を使ってはいけないのでは? 

という風潮が少々あるようですが、
日本語として正しく使っていれば問題ありません。

 

本来、「させていただく」を使う正しい場面とはどんな場面なのでしょうか?

「させていただく」という言葉は

誰かに何かをさせてもらう、の謙譲語

と言われています。

 

相手の許可をもらっておこなう行為や、
それによって相手から恩恵を受けるときに使う言葉です。

例えば「スケジュールを変更させていただけますか?」といった表現です。

また、結婚式に招待された際に
「喜んで出席させていただきます」
というお返事をするのも、
相手のご厚意によって出席させていただく、
という意味合いになりますのでOKです。

このように、正しいタイミングで使えば全く問題ない言葉です。

では、どのような場面ではふさわしくないのでしょうか?

 

丁寧に伝えたいと思うばかりに・・・

会議の様子

なぜ近年、この「させていただく症候群」という言葉が出てきたのでしょうか?

実は、多くの方が
「させていただくを使うと丁寧に聞こえる」
と認識されています。

お客様や目上の方に対して
より丁寧にお伝えしようとするばかり
やたらと「させていただく」を使ってしまう傾向にあるようです。

確かに…
なんとなく丁寧になっているような響き
というのも分かる気がします。

 

ですが、実は使い方によっては
慇懃無礼(いんぎんぶれい)な表現にもなりかねません。

丁寧過ぎるとかえって嫌な印象を与えてしまうことってありますよね。

こちらとしては相手を敬ってのことであったとしても
万が一そのような印象を与えてしまっては…
人によっては
「この人は日本語を正しく使えないのかな」
というマイナスイメージを持たれてしまうことすらありえます。

せっかく丁寧にお伝えしようと思っていたのに…

そんなことになってしまっては大変ですね。
特に口癖になってしまっている方は要注意ですよ!
知らないうちに使っていませんか?

 

回避方法|別の表現

悩む女の子

「じゃあどうすればいいの~(涙)」

というみなさま!お待たせいたしました(笑)

「させていただく」の回避方法をお教えします。
実はとっても簡単です。

置き換えとしてよく使われるのは「いたします」という表現。

例えばプレゼンの際に
「これよりご紹介させていただきます」ではなく
「これよりご紹介いたします」とすれば
スッキリしていて尚且つ丁寧な表現です。

普段から「させていただく」を多用されている方ですと
始めのうちはこの表現に慣れないかもしれません。

実際、レッスンでこの方法をお伝えすると
「いたします、に置き換えると
なんだかあまり丁寧に聞こえない気がするのですが…」
と言われることがあります。

もしそう感じてしまったら
危険信号が出ていると思ってくださいね。
「いたします」でも十分丁寧ですよ!

 

台本に大量の「させていただく」

司会イメージ

さて、ここからは私が普段
イベントMCやプレゼンターを務める際によくあるお話です。

頂いた台本にときどき
大量の「させていただく」が記載されていることがあります。

「1ページに10回も…」

なんてことも正直あります。。。

恐らく作成して下さった方が
丁寧な表現でお伝えしようとお考えになったのだと思います。

もしかすると
ご自身がそこまで多用していること
にお気づきでないのかもしれません。

 

台本を作成する際に
黙読で作成されていると
そこまで気にならない方も多いようです。

 

ですが、一度声に出して台本を読んでみると
何度も「させていただく」と言っていて
少しくどいと感じるのではないでしょうか?

読み手(MCやプレゼンター)がもし
「くどいかも?」と少しでも感じていたのなら
聞き手(お客様)はそれ以上に感じていらっしゃいます。

それこそ慇懃無礼(いんぎんぶれい)と思われてしまう可能性が出てきます。

 

そんなとき、私たちプロは
表現方法を変えて丁寧にお伝えすることがよくあります。

「いたします」の表現にしたり
全く同じ意味合いで表現を少しかえるだけでスッキリ丁寧にしたりします。

 

ですが
台本に書かれていること
全てを言いかえるのかと言いますと
実はそうではありません。

 

これは意見が分かれるところではあるのですが、
私個人の意見としては“バランスをとること”も必要だと思っています。

 

明らかに間違った使い方であれば訂正しますが
許容範囲かな?という部分であれば
台本に書かれているうちのいくつかは
そのまま「させていただく」を使うこともあります。

それは、そのときの出席者やクライアントのみなさまのお立場
そして台本を作成された方のお立場などの多方面で考慮した場合に
「させていただく」をある程度使った方が良いこともあるからです。

この線引きがなかなか難しいのですが
必ずしも正しい表現だけにこだわりすぎる必要はないということです。

 

何度もお伝えするように
明らかに間違っている表現であれば言いかえを行います。

ですが、さまざまなことを考慮し
許容範囲であれば
ある程度「させていただく」を使うこともあります。

そのバランスをとることが大切なのです。
もちろん、正しい表現が何かを知っておくことは大前提ですよ!

 

まとめ

ノートとペン

日本語って本当に難しい…と日々感じます。

今回の「させていただく」もそうですが
時代の流れとともに、日本語の認識も変わってきています。

昔は間違っているとされていた表現も
一般的に広く使われるようになれば
やがて正しい表現とみなされることもあります。

 

知識として正しい日本語を知っておくことは大切ですが
聞き手がどのように受け取るかを考慮することや
音の響きで伝わり方が変わることなど
さまざまな角度から最適な表現を探したいですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。